増田のススメ

http://togetter.com/li/378219
これのコメント欄とか見てると
私は@nasty_medicineに「増田使ってみれば?」と言いたくなる。

TPOの問題と、主張の是非は違うと思う。彼はTPOをわきまえていない発言ゆえ、さらされ、笑いものにされるのは自業自得だと思う。主張がまともに取り合ってもらえないのも当然だと思う。それでも、彼は然るべき場所で、然るべき手順を踏めば、思ったことを言ってもいいんだよ、という点は強調しておきたい。


で、この人はどうかわからんけど、mixiなどのSNSしかWEBの経験がなくて、自分の主張を公に向かってする訓練や自覚ができてない人の訓練場所として増田をおすすめしたい。




◆些細な事だけどいかんともしがたい感情の問題があると思う

「そちらの言い分はわかる。論理的にはそちらが正しい。その上で、自分は正しくないかもしれないが、どう考えているかもわかってほしい」って気持になる時って多々あると思う。

「その場で語られているメインのテーマからズレているのを的外れというならば」的はずれであることなんか百も承知である。それでも自分が気になっているのはメインの部分ではなく、他の人にとってはどうでも良い、細かい部分についての、感情的な引っ掛かりだったりする。


そういう時「他の人にとってはどうでもいいし、間違ってるかもしれないけれど、僕はこういうところが気になります」って主張が出来る場がどこかにあるだろうか、と思ってしまう。

それがめんどくさいとか、そういうやり方がわからない人のために、とりあえずある「モヤモヤを吐き出す場所」とか「思いつきをぶちまける場所」が増田だと思う。





◆自分の感情の問題は他の人がどう言おうと発言しても良い(※責任と必要な努力を自覚してるなら)

私は今回@nasty_medicineが間違ってたのは、「コメント欄=人の庭or多くの人が集まっている広場」で、「自分だけの主張をしようとした=自分だけの目的のために使おうとした」という点だけであると思っている。

彼は、togetterのまとめの言い分がわかってなかったわけではなく(最初はわかってなかったかもしれないけれど)わかっていても、納得出来ないモヤモヤがあったのだと思う。ただそれを、場の雰囲気を考慮せず、話を整理することもなくそのまんまぶちまけてしまうところがダメ。 TPOというか、公共の概念は確かにないな、と感じる。 


その上で、主張内容自体は、別にしたらいけないというものではないだろう。然るべき場所で、然るべき手続きを踏んでやればいい。人と自分の意見がズレていると思っても、人と比べて些細な事が気になっていると思っても、別に黙る必要はない。 


自分のブログとか増田で、自分でトピ立てする努力を惜しまないなら、どんどん自分の思ったことを言って良い。 もちろんその際は「相手の言い分をどこまで理解しているかを示した上で」、自分はどう思うか、なぜそう思うかを論拠立てて示すことが必要になるが。 自分の些細な感情の話こそ、それを他の人にわかってもらいたいなら、かなりの努力が必要になるし、発表する場などにも気をつけるべきだ、と思う。



なにより、自分の主張について発生しうるであろうフィードバックはある程度予期し、覚悟できたほうが良い。自分の発言にできるかぎり責任を取る覚悟があるなら、自由に発言しても構わないと思う。 もちろん、ネットは怖いところなので、運が悪いと自分の責任を取れるレベルを遙かに越えた悪意にさらされたりするので覚悟できる範囲には限界もある。 それでも責任を意識して、ある程度でもいいから覚悟をしていれば、ちょっと文句言われただけで発狂するバカにはならずにすむ。



ネットって自由だと言われ続けてきたけれど、多分本当に自由に行動できるのは、自分が責任を理解し、覚悟をしている範囲までだと思う。 それを自覚してない人は、思い通りに振舞っていると結局どこかで壁にぶち当たる。自由と不自由の壁を自覚するハメになる。もちろんケガしながら学んでも良いが、できるなら最初から自覚しておきたい。




◆自由に発言するための基礎を鍛える訓練の場として増田を活用してみてはどうだろうか?

といっても、責任やら覚悟と言われても、それを体験しないことにはピンと来ない人は多いと思うから、増田とか2ちゃんで修行すると良いと思います。人の善意と悪意の両方をダイレクトに味わえる空間です。フィードバックがかえってきやすいのですぐに「自分が自由に文章を書くとこうなる」というのがわかります。

また、自分のトピ立てが下手だと問答無用でスルーされるのも良い。「わけわからん」と一言だけで切り捨てられることも多々ありますがめげずに工夫してみるとよいでしょう。

最大の醍醐味はバトルです。ある程度自分の意見をしっかりかけるようになると、必ずバトルを仕掛けてくる奴がいます。 自分の意見を否定しにかかってくるやつですね。2ちゃんや増田は匿名なので、いざとなったら負けても大丈夫です。ここで戦い方を学びましょう。もっとも得られる経験が偏るのが難点ですが・・・。ひねくれ者にならない程度に自分を鍛えるとよいでしょう。(私はもう手遅れかも)


とにかく、mixiとかFacebookみたいな、「仲間」だけの空間で純粋培養されてる子はいきなりブログにチャレンジするのは危険だと思う。togetterなんて初心者が考えなしに手をだすところじゃねーべさ。まぁmixiやらFBにも別のしんどさや危険はありますが、これは他の人にでも聞いてください。



私はもう増田やめましたが、なんだかんだいって、増田にはお世話になったなぁ、と。受けた影響が良い方向か悪い方向かはわかりませんが・・・




参考記事 
http://togetter.com/li/169927
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/1174       

というかこっちだけ読んでもらったほうがいいかも





あと、私の元記事に対するスタンスはこのあたりと同じ。
別に理解してない訳じゃなくて、ぜんぜん違う話がしたかったのです。

公表する表現は抑圧し(=タテマエ)、私的な表現は解放する(=ホンネ)というのが、日本人の自己表現への姿勢であったはずだ。「ネットを私的な空間と勘違いしている」という指摘はまま目にするが、実態はどちらかというとタテマエの喪失と理解する方が良いように思う。礼儀と抑圧は紙一重

ttp://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20120924/p1
表現者と受容者の直接接続が行われることでこのへんの礼儀というか儀礼というかそういったものを意識しないでも接続できる環境になりました。身構えというものがなくなっているというべきか。初対面の人に会うというのは一種の儀式みたいな部分があって、きちんと身構える(相手のことを考える)というステップを踏むことが多いのですが、ウェブはそういう壁も取っ払っちゃいましたね。もう一つ重要なのは、本来的にはそれほど失礼さを持たない人でもウェブでは失礼な振る舞いをしてしまう/本人が意図せず繋がってしまうので儀礼を伴わないというケースがあるということですね。なので、ある程度そういう不幸な出会いを許容できない人は、ウェブでもリアル知り合い以外とはお話しませんよ!というスタンスを持つしかない。