ネット上で他人に対して意見やアドバイスをするときに前提として考えておきたいこと

シアター!読み返してるなう。 
すごく好きな作品なのでしばらく「シアター!」ネタ続けようかと思います。

劇団という組織の曖昧さを司は未だに計りかねている。
誰も契約で縛られているわけではなく、自由意志で集まっている。だから劇団という組織は劇団員に対して何ら強制力を持たない。何か義務を課しても嫌なら離れてよそへ行くだけだ。
給料を払わないなら製作に何かを求める権利はない、と黒川には言ったが、本当ならそれは劇団員も同じだ。好きだからという気持以外、組織の拠り所は何もない。
司の各種の提案も、シアターフラッグを将来的に続けていきたいならという前提がなければ説得力を持たない。かろうじて借金を盾に指図できるくらいだ。
世間には星の数ほど劇団があるのに、成功する劇団の限りなく少ない理由がようやく分かってきた。劇団の主宰は劇団員に対して給与という形の責任を持たず、劇団員は劇団に対して帰属する義務を持たない。気まぐれが化学反応を起こしてたまたまくっついているだけだ。誰か資本を出して会社組織化しない限り、劇団が機能する根拠は各自のモチベーションのみである。
−−理解できない。これほどいい加減な組織形態があるか。

同人やブログを書くということを商売道やミクロ経済学で語る人がいるらしい。
個人的にそういう意識で取り組むことは否定しない。
ただし、その考え方を同人全体で通用させようとするのは多分根本的に間違っている。
相手がどういう前提で活動しているかが全く考慮されていないからだ。
まして本人がそれを実践できていないのならば、説得力はゲロ以下のカスです。



今必要な考え方、前提とスべきことは
仕事でも義務でもなく「ただ好きだから同人やらブログをやっている人」
に働きかけているんだ、仕事や商売とは違うんだ、という意識を持つことかな、と。
その前提をクリアした上で商売につなげるのは可でも、
いきなり商売の話持ちだす奴はただのコミュニケーション能力がない人ということになりそう。



こういう前提だと、単なる正論唱えようが、道理をとこうが
彼らの「好きでやってる」「目指している部分」部分とリンクしなければ多分何の意味もない。
まずはその部分にアクセスしないとダメでしょう、と。

もちろん「好きでやってる」だけだと利益が出ない=存続が困難なので、
「目指している部分」がなければ具体的にそれを作る必要がある、
といった感じでどんどん話が積み重なって、ようやく前にすすめるのだと思う。
このあたりは私がごちゃごちゃ言うより「シアター!」面白いので読んでください。







余談として「もしドラ」の話。
作者がFF11という作品にはまっていた時に、企業でも非営利組織でもなく、「好きでつながっているだけ」のメンバーはどうすればまとまれるか、どういう取り組みが理想であるか、という問いが浮かんだそうです。で、その問いに答え、FF11ライフをうまく運用するためにドラッカーのマネジメントを活用したところが出発点なんだと。

つまりあれ、本来は、ネトゲ廃人におけるコミュニケーション、つまり強制力が少ない状況におけるゲーマーという自分勝手な人たち同士のコミュニケーションを意識したところから出発しているということですね。*1 こんなかんじで自分に引きつけて読むと結構面白いかもしれません。

*1:その他にも、作者の野球好きとか、AKBのプロデュース経験をミックスして悪魔合体されているので、見用によってはいろんな側面から楽しむことができるはずです。