ハックルブロマガと、私の「同人」の思い出

■今こそ「泣いた赤鬼」を読むべき理由
http://ch.nicovideo.jp/article/ar21778

というのを読んで

・彼のブロマガは極めて同人的*1だな
・こういう同人的な活動が成果を出してるのは興味深いな
・私にはこういうのムリダナ(・×・) 

と思ったのでした。

以下駄文。













彼の青鬼感は面白いというか、私も中学高校時代、似たようなこと考えてたのを思い出した。私は「ネタ」で終わらせてしまった。だからこそ、それを「これからの世の中に必要な考え方だ」とぶちあげて、それに喝采を送る読者がいるという構図が、ああ宗教すげえって思ってしまう。いや、これこそが同人の世界だと思う。

以下さらに駄文








中高生の頃、通学に片道1時間くらいかけていた。その長い時間を共にする友達との間ではいつも話のネタに困っていた。わたしも友達もテレビとか見ない奴同士だったので、必然的にゲーム攻略の話か、もっとつまらない与太話みたいなのが多かった。その中で、まぁネタを自分たちで作るというのもよくやった。男子校だったこともあり、女の子の話とかは殆ど無かった。*2
その中で「泣いた赤鬼」の話になったこともあった。私は「青鬼がどういうやつかわからんじゃないか。なんで純粋にいいやつ扱いされてるんだ。青鬼だって思うところあって行動してるはずだ。やつはやつで何か目的があってやってたんだよ。だから青鬼って人物についてもっとネタ考えようぜ」みたいな話をやってた記憶がある。
他の例でいうと、バイオハザードというゲームについて出番が少なかったサブキャラのレベッカについて色々考えたりした。「レベッカはもっと腹黒な奴だ。一人でサバイバルできる能力があったどころか主人公クリスが必要なところで手を貸す余裕すらあった。 そう考えると二人を動かせて自分は裏で何かやってたはずだ。もう一人のサブキャラであるバリーは底が割れちゃったけどレベッカは妄想の余地がある。そのストーリーを考えようぜ」というような話をしていたことがある。*3

こんなかんじで、目立たない登場人物の内面とかいろいろ妄想するのが他の二人の友だちとの日課みたいになっていた。テイルズシリーズやKOFストリートファイターシリーズなどが特に話のネタとして重宝され、サブキャラとかモブキャラのストーリー考えるのが友達の間でブームだった。登場人物の裏の顔とか、裏設定とか、裏の好嫌感情表とか、やりそうにない掛け合いとか、if設定とか、そういうネタを考えて、より面白いネタを競うみたいなことはやっていた。 *4 こういうのは基本的に「友達との間だけで」「時間を楽しく潰すために」「遊びとも呼べないような他愛なこと」で、だからこそ大事だと思っていた。というか、今でも思ってる。



こういう他愛ないことが「同人とか二次創作」って形で大きな勢力になっている世界があると知ったときは本当にびっくりした。つまるところ私が見た同人ってのは「商業の衣を借りた、同好の士探し」であり「あの他愛のない話を楽しめる人の輪を作る」ってことだと思った。これに対して「じゃあ俺達も何か作って他人に見せるか」とは全く思わなかった。 それは自分たちだけの話だから大切だし面白いのであって、それを他人に見せてもあんまり面白く無いだろうし、なんか大事なものが失われそうでいやだと思っていた。私にとっての同人活動は、結局始めることなく終わっちゃっていた。今でも、別の大学にその友達とあったときは夜通しそういう他愛ない話を楽しんだりしてるけど、結局一度もそういう話になったことはないです。ちゃんちゃん。




という感じなんだけど、そういう「同人」的な活動を、堂々と、商業として、大勢の前でやってその人がある程度の成果を収めつつあるの*5を見ていると、なんだかモヤモヤした気分になってしまう。 自分の判断が間違ってたとは思わない。自分の話は岩崎さんほど面白く無いし、実際やってもウケなかっただろう。じゃあ何が問題なんだろうね。自分でもよくわからないね。羨ましいってわけではないし、後悔ってわけでもないと思うんだけど、なにか気になるね。




とりあえず自分が思っていた「同好の士探し」「友達作り」そのものが、商売として成り立ちつつあるというか、その境目がわからなくなってるって感じはする。

*1:後述しますが、あくまで私の思う「同人」です

*2:しかし在学中に友達の一人には彼女ができた。なぜだ

*3:バイオハザード0でレベッカ主人公が発表された時マジで狂喜乱舞したのだけれど、レベッカ弱すぎて萎えた・・・

*4:なので、誰かさんがコミケについて警察の陰謀がーみたいな話を語ってるが、そういう話も当然ネタとしては想定した。しかしそれをネットで、どや顔で語るのは本当にバカだと思う

*5:そういえば、もしドラも、ラノベというよりはビジネス書の同人誌みたいなものだよね。正確に言えば同人業界におけるリーバイス的な存在だと思うけれど