[ラノベ語り]その5 「ラノベだと思わないで普通の読み物として読むと本作の評価は全く違う」

どう違うのか、わたし、きになります!


2011-10-10

ラノベという定義がラノベ側にない』という現実だ。「ラノベだと本人が言うものがラノベだ」という曖昧な定義ゆえにジャンルが多様化しているとも言えるし、技量や質にバラツキがあり目指す方向性がないとも言える。私の中では「わかりにくいジャンルを物語・萌え・恋愛要素を付け加えて噛み砕いて説明する青春(ティーンズ向け)小説」というイメージなのだが、必ずこの枠が適切ということもない

失礼ながら筆者が書いている物って僕はラノベじゃないと思うんです。ラノベとビジネス書の中間分野のような書きぶりといいますか、ラノベにしては現実的すぎるといいますか…色々と「ラノベっぽくないなぁ」と思うことがあるのだが、とりあえずは「ラノベなのにお仕事ネタ」と言うところから何か違います

非常にもどかしい話ではあるが、ライトノベル・普通の小説・小説風ビジネス書が世の中にある時にこれはどのジャンルかというと前半部は間違いなく小説風ビジネス書なのだ。後半になってキャラの話をかくようになってくると「ラノベっぽさが出てきたなぁ」と思うのだが、それまでがSE入門書みたくなっていて、ラノベなのかと問われると何か違うようななんとも言い難い感覚を覚えた。

ラノベだと思わないで普通の読み物として読むと本作の評価は全く違う。伏線の回収が丁寧で、キャラクター設定の意図も後半で明確になる。さらにキャラの成長も描いて、実用的な知識も身につき、社会問題になっている『SEの実態』にもメスを入れる。非常にバランスのとれたいいノベル

ラノベっぽくないからこそ、ラノベファンじゃない友人にも推薦できる作品である事もいいですね。自分で得意分野を持つとどうしても、他の人を話に巻き込みづらいところがある。本当は自分の得意だと言い張れる分野に詳しい友人が欲しいが、中々そういう友人が居ない。そのため、会話が一方通行になり困っている。そんな友人に少しでも普及する作品があると嬉しい。アニメなら適した作品を多く知っている。漫画なら相手が知らないであろう作品から紹介できる。だけど、ラノベには作品がなかっただけに「これだ」というモノが出来たことは嬉しい。(単に面白さだけを重視するなら「僕は友達が少ない」、相手に媚びるなら「とある飛行士の追憶」を勧めるのだが、オタっぽい価値観がわからない人に「ラノベ面白いぜ」って言うときの作品がなかった。


もしドラに出会ってしまった人は、
ある人は表紙が萌え絵だからラノベだといい、
ある人はドラッカーがテーマだからビジネス書だといい、
ある人は、どちらでもないといい。
ある人は、そんなことどうでもいい。面白いか面白く無いかだといい。
そんな人達のことを思い出しました。

群盲の一人がジャンルをなでてみたという感じだろうか。