アンチにだけはなりたくなかった

その人に面と向かって具体的な要望も指示もなにもしないのだが
「もっときちんとしてほしい」「あのひとがちゃんとしないから」というかたちで
ただ抽象的な不満をブツブツと繰り返す人がいた。




不満は感じているのだけれど、その不満を解決するために
自分が何かをするつもりはないし、何が不満なのかを考えようとするでもない。
不満に対して自分は責任がないと思ってるから制御したりしようともしない。
自由に不満をふくらませていって、爆発しそうになると相手に対する人格攻撃を始めだす。
この人にとっての問題が、自分を怒らせる人の存在そのものになってしまう。
本当はそうじゃなかったはずなのに。協力して問題を乗り越える道もあったはずなのに。





いざ爆発寸前の状態になってしまうともう四六時中怒ってた。
どんな些細なことでも怒り、さらにその矛先を「自分を怒らせる人」のせいにする。
何も考えてないし、問題に対して全く自分の責任を感じないから
自分の怒りを収める手段そのものがない。
怒り疲れた時にちょっとおとなしくなるだけ。元気になったらまた暴れる。
この人を怒らせた状況=「自分を怒らせる人」が続く限りは、常に噴火状態だった。




この状態になってしまってから初めてその人を見る人は、
「この人はなんでこんなに忍耐力がないんだろう」と感じてたかもしれない。
でも、前から見た者としては、これは忍耐力の問題じゃなくて
考え方の方向性が悪いし、しかもツッコミ力が低かったせいだと思ってる。



問題を考える未来志向とか解決思考、協力志向だったら最初から争いは起きにくい。
しかしそうでなくてももっと具体的に問題を指摘していたら
具体的な要望を出せたかもしれないし、少なくとも何が問題かわかっていれば
四六時中怒ってばかりという事にはならなかったと思う。




ネガテイブ志向の上ツッコミ力が足りないと、人は何かのアンチになる。
アンチになった人は、思考を停止し、アンチ対象を滅ぼすまで暴れるか、
アンチの対象がそれでもビクともしない場合、状況に耐え切れなくなって
ついには自分をその場から消してしまう。





・・・2年ほど前につとめていたバイト先で、
職場の上司に対していろいろと間違った形のアンチ活動を続けていた人がいました。
この人は最終的に引継ぎも何もせずにいきなり音信不通になったんですよね。
結構リーダー格で、その人しか知らない情報とかいろいろあったのでみんなめちゃくちゃ迷惑を被った記憶が。
その人を途中からみていて、その時はアンチってなんだかなーああいう人にはなりたくないって思ってた。




うーん、どうしてこうなった