gunslinger girl と バーサス・アンダースロー についての個人的文脈

新年会でもガンスリンガー・ガールの話はやはり盛り上がりました。この作品のすごさや面白さ、というか読み方そのものについては下記を読んだり聴いたりしてください。

http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20130103/p1
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20130104/p1
http://live.nicovideo.jp/watch/lv120795676
http://ch.nicovideo.jp/article/ar26505
http://ch.nicovideo.jp/article/ar26207

その上で、個人的な感想というか文脈も少し書いておきます。

「私は救いに来たのです。おとなしく降伏してください」
「救う?そんなこと頼んだ覚えはないわね」
「遠からず為政者は公社を取り潰しにかかるでしょう。政権が混乱する今夜、私がここに来れば最も穏便に解決できるのです!叔父にかけあって職員の名誉も回復させましょう!」
「それは名誉を著しく傷つけられたことのない者の言う言葉よ」
(「gunslinger girl」 92話)

個人的な文脈としては、
私はergが大好きで、その中でもバッドエンドが好きで
それゆえに特定のタイプにものすごく思い入れしてしまいます。

有名なところでいうと

ヨイコノミライの青木杏
ヤサシイワタシの唐須弥恵
文学少女の竹田千愛
ミスミソウの南京子
とらドラ!の櫛枝 実乃梨
fate/stay night間桐桜
ココロコネクトの永瀬伊織
はがないの志熊 理科
みーまーの長瀬 透
まじこいの椎名京
もしドラの川島みなみ*1
猫物語(黒)羽川翼
西尾維新瀬戸口廉也作品のキャラ全般
White Album2の和泉千晶


などです。ergはキリが無いので省略します。どういうキャラかは説明しませんがまぁなんとなくでわかっていただければ、と*2




今まではこういうキャラって救われない感じでした。しかし最近は「誰かによって救われること」や「誰かを恨み攻撃することで自分をつなぎとめること」を断念することによって袋小路を脱出するケースが増えてきており(ただし、そこに男がついていける例は今のところ殆ど無い)、それを興味深く読んでいます。


世界に恵まれず、戦闘を強いられ、しかし世界に選ばれずに落ちこぼれた戦闘美少女たちの生きる道

gunslinger girl」のすごいところは、バッドエンドの先がちゃんと描かれることですね。というか「バッドエンド」という定義自体、視野が狭いということを突きつけてくる。こういう作品を読むと、ああ、自分はバッドエンドが見たかったのではなくて、バッドエンドが突きつけてくる課題と、それを乗り越えるところが見たかったのかもしれないな、とも思います*3。こういう作品を読むことで、今まで自分が思い入れしてきたキャラクターのその後が思い浮かんできて一人でジーンと来てしまいますね。


「バーサス・アンダースロー」は完全に「バッドエンドの先」のお話であり、このあたりはホントに続きが楽しみでしょうがないです。「おおふり」のように「バッドエンド前に戻ってやりなおし」でもいいんですが、バッドエンドの道に入った(自分が行きたかったルートは閉ざされ、放棄せざるを得ないのが確定した)と思っても、人生そこで終わりじゃない。そこから新しく人生始められるし、自分がそのつもりにさえなれば今までの人生だって無駄じゃなくなるんだ。ただ走るだけでもその気があればこんなに楽しいんだってメッセージのほうが個人的にはグッと来るものがあります。(馬鹿にしてる人いますけど「もしドラ」も読み方によってはそういう話として読むことが可能なので、未読の人は手にとってみるといいよ)



自分で言うものなんですが「男の戦場」から落ちこぼれた自分を、男ではなく美少女たちに投影して代替的に自分を癒してるようでなんか痛々しい読み方かもしれません。
ただ、負け惜しみであることを承知のうえでいうと、特定の世界だけへのこだわりを捨てることで、自分の生きる場所を見つけて、そこで生きられるのだったらそれは悪いことじゃないと思うし、結局人間どこいっても自分との戦いが一番大事だと思うので、自分が楽しめれば勝ちだと思って、今の目の前の環境を楽しんでいけるよう、変化していければと思います。



私の今までの人生をグラフで表現するとしたら、6年前から下降の一途をたどっており、前2年は完全に停滞している間にどん底まで来てしまったように感じていました。
今年は変化の年にしたいです。今いる地点をスタート地点として、別のシートで上り調子のグラフを描いていきたいです

*1:私的には唐須弥恵と同じ位置づけ

*2:ちなみに私は青二才の人が嫌いで攻撃せずにはいられなかった理由とか、ハックルさんが好きな理由ともつながっています。

*3:凄惨なBADも好きなのでそれだけではないと思いますが